印刷で使う形以外の書き方もできることを紹介する
「常用漢字表」には、よく使う2136の漢字がまとめてあります。字の細かいところが違っても、全体の形がだいたい同じで、どの漢字を書いたかわかる場合は問題がないと書いてあります。例えば「令」という漢字は、印刷で使う字は真ん中にまっすぐ縦の線が書いてあります。手で書くときは、カタカナの「マ」のように書くこともあります。どちらも間違いではありません。しかし手で書いた漢字は、印刷で使う漢字と形が違うからだめだと役所や銀行が言って、トラブルになることもあります。
このため文化庁の審議会は、手で書いたいろいろな形の漢字を紹介することにしました。印刷の字が多い今の時代に、手で字を書く文化を大切にして、もっと積極的に字を書いてもらいたいと考えています。文化庁は、2017年3月までに、印刷で使う形以外の書き方もできることを紹介する本を作る予定です
日常的に使われる漢字の目安となる「常用漢字表」では、文字の形状に違いがあっても、骨格が同じで文字の判別に影響しなければ問題はないとされています。
例えば「令」という漢字は、印刷文字では書き順の最後の一筆が垂直におろされますが、手書きではカタカナの「マ」のように書くことがあり、どちらも間違いではありません。しかし、漢字の書き取りテストや戸籍などの行政窓口、それに金融機関の窓口で、印刷文字と違うという理由で認められずトラブルになるケースがあるということです。
文化庁の審議会は、手書きの漢字の多様性を広く知ってもらおうと、詳しい解説書を作成する方針をまとめました。
文化庁はこの方針を受けて、来年度中に常用漢字2136字の解説書を作成することにしています。